第14回
NAGAMOTO COFFEE :福岡県粕屋町
長本美乃理

 「大手ロースターでは作り出すことの出来ない、独自の味を専門店に供給したい!」との思いで、先代は15年間勤めていた大手ロースターから独立しました。1982年5月、小さなプレハブの建物で「珈琲専門店・自家焙煎店」への卸売り専業店としてスタートした当店は、現在、一般のお客様への店舗販売やインターネット販売もさせて頂いております。家族4人で営んでいましたが、2007年12月、先代が天国へと旅立ちましてからは3人で頑張っています。高校の卒業式の翌日から17年間、ずっと先代の傍で焙煎を学んでいた二代目が、その技術と思いを受け継ぎ、奮闘する毎日です。

コーヒーにはわかりやすい商品説明が
並んでいます

 私たちが嬉しいのは、当店のコーヒーが「癒し」になっていると感じられた時です。「キツイ時に飲んだら疲れがスーッと取れたよ」「飲んだらホッとする」と言った言葉を掛けて頂いた時に努力が報われた気がします。ハンドピック(欠陥を手で選別すること)等の日々の作業はコーヒーを美味しく飲んで頂くためには大切な作業ですが、お客様の目に見えるものではありません。でも、「美味しく飲んで頂けますように」との思いは、伝わるものだと思うんです。優しい味がするフェアトレードコーヒーに出会って、改めてそのことに気付かされました。産地の方々が心を込めて丁寧に作業して下さっている様子が伝わってくるんです。 ずっとお客様への感謝の気持ちを忘れないように店をやってきました。一方、産地の方々がコーヒー豆を育てて下さらなければ、私達の仕事ははじまりません。買って下さる方々への感謝ばかりで、作って下さる方々への感謝を忘れがちになっていました。先代の「産地のことも考えらないかん」の一言でフェアトレードコーヒーを扱っている会社探しが始まりました。そして、辿り着いたのがATJさんでした。お取引をさせて頂くことになり、母が生協の取り組みに熱心だったもので、昔から馴染みがあった「マスコバド糖」や「バランゴンバナナ」もATJさんのお取り扱いだった事が分かり嬉しくなったことを思い出します。

棚の右がATJコーナーです

 このご縁を頂けたことで私たちはより深くフェアトレードというものを知る事が出来ました。知れば知る程、その必要性を感じています。日本に住んでいる私たちはたとえ間接的にであったとしても、通常の貿易の恩恵にあずかっているはずです。だとすれば、途上国の問題は他人事ではありません。フェアトレードの商品は「価格が高い」のではなく「適正な価格」であること、現在の貿易は途上国にとっては「不公平」な仕組みであること、これに対し、フェアトレードは「公平」な仕組みであることを一人でも多くの方々に伝えていきたいと思います。まずは知って頂き、その中でフェアトレードに興味を持って下さった方が、商品を作られている方々の思いや日々の暮らしについて考えられるようになる…当店が、その「きっかけ」になれたとしたら本当に嬉しく思います。そこから、「買ってみよう」、「飲んでみて・食べてみて・使ってみて良かったから、また買おう」、「友達にプレゼントしてみよう」と広がっていってくれるといいなと思います。

 これからもっともっと「フェアトレード」の輪が広がっていきますよう、これまでに頂いたご縁に感謝しつつ、これから繋がっていくであろうご縁を楽しみに私たちの店も頑張っていきます!

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